東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催中のマンガの祭典「コミックマーケット(コミケ)85」の「コスプレエリア」では、人気キャラクターに扮(ふん)したコスプレーヤーが自慢の衣装を披露している。今回は「黒子のバスケ(黒バス)」の人気が再浮上したほか、今年の流行が反映され「艦隊これくしょん~艦これ~」「進撃の巨人」のコスプレーヤーも多く見られた。
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「黒バス」は、2012年冬のコミケで準備会宛てに脅迫状が送られ、会場側の要望を受けて、同人誌900サークルが出展を見合わせた。13年夏には復活し、見合わせ時とほぼ同規模のサークルが参加。今回は、脅迫を繰り返したとして威力業務妨害容疑で36歳の男が15日に逮捕されて以降、初めてのコミケということもあり、コスプレの人気も"再燃"。コスプレタレントの綾川ゆんまおさんが「脅迫状の騒ぎも落ち着き、ファンは安心してコスプレを楽しめるようになった。見合わせた時は残念だっただけに、もう二度とこんなことは起きてほしくない」と話すように、人気再燃を喜んでいるファンも多いようだ。
今年、話題となったブラウザーゲーム「艦これ」のコスプレーヤーは、今夏の「コミケ84」ではほとんど見られなかったが、その後人気が急上昇した。同ゲームは、育成シミュレーションということもあり、明確なストーリーが用意されていないほか、キャラクターの性格などの設定も公開されていない。綾川さんは、「艦これ」のコスプレ人気について「情報が少ない分、想像力を働かせてコスプレを楽しんでいるようです。コスプレーヤーには創作を楽しみたい人が多いので、燃えるところがあるのでは。初期の初音ミクのブームと似ているかもしれない」と分析している。
コミケは、1975年に始まったマンガや小説、ゲーム、音楽などの同人誌の即売会で、現在は夏と冬の年2回開催されている。コスプレは近年、"長もの"と呼ばれる小道具の使用を認めたり、撮影が可能なエリアを拡大するなどルールを変更。昨年冬から撮影が可能になったエントランスは、東京ビッグサイトを背景に撮影できることもあり、多くのコスプレーヤーが集まっていた。コミケでコスプレをするには1日当たり800円の登録料が必要。